菜園の法則 2
車には新しい農場のために馬と牛と…機械、そして、新しい家のためにはストーブとベッドとピアノが満載されていました。
アイダホ〈砂漠〉の真ん中のバーレイで荷物を下ろし、スネーク川を8マイルさかのぼったデルコにある彼の土地に向いました。
彼が選んだのは耕作には向かない土地で、そのうえ零度近い気温が何か月もつづき、夏には華氏百度(摂氏307.7度)以上にもなるという厳しい気候でした。
時折激しい風にも見舞われます。
冬には吹雪となって道をとざし、他の季節にはさらに強烈な塵と砂のブリザードとなって吹きつけます。
さまざまな花 種、ヤマヨモギが一面にはびこって、灰色の波のように風に揺らぎながら地平線にかすむ山脈のかなたまで広がります。
強い根で大地にしがみつき、鋭い刺をつけて密生し、節だらけの枝のはうな茎で人の行く手を阻んでいます。
その繁みの間には、枯れた根なし草が砂地にはりついています。
生命あるもののしるしとしては、繁みに跳びはねるワタオウサギ、真昼のそよ風の中でチュンチュンと鳴くマキバドリ、石や溶岩の間に潜むガラガラ蛇を時折見かけるだけです。
川の近くにも樹木は少なく、ポプラや柳のひょろ長い姿がまれに見られるだけです。
樹木の割れ目には白頭ワシやイヌワシが大きな巣をつくっていました。
黒い溶岩の絶壁から眼下の岩や砂地やヤマヨモギを見下ろすと、そこには耕地になるものと信じ込んでいた土地がひろがっているはずでしたが、しかし、シンプロットの目に映る緑はスネーク川の流れだけでした。